津波避難タワー・避難ビル照明システムの設計の手引き

4. 津波避難タワーの仕様/避難ビルの仕様

(1) 津波避難タワーの仕様

ここでは、該当の津波避難タワーや避難ビルがどのような状況で、どのような機能を期待されているのかを検討し、その期待に、答えるべき電気仕様を決定します。


  1. 災害時に避難民が、避難所を利用する期間はどの程度か→ 災害が起きてから24時間程度
  2. 避難場所の各エリアの照度はどの程度にするか→
    (1日程度の避難場所の場合は防犯灯の一番暗い部分が0.5lxを参考とすると良い)
  3. 何日間の無日照に耐えられればよいか
    (災害はいつ起こるかわからないので最悪の状況を基準とする。過去60年間の気象データーでは7日間無日照)
  4. 照明の点灯時間とタイミング(地震時のみの点灯か常時点灯かを検討)
  5. 近隣住民への光害への考慮(地震時のみの場合震度5以上での点灯設計)
  6. 照明の他にどのような機器に対し、どのくらいの電力を供給する必要があるか(災害無線等々)
  7. 使用するポールや電源BOX等々の耐風速(基本、風速60M対応)
  8. パネルの塩害対応(公的機関での認定となっていることが重要)
  9. 電源BOX、LED、パネル等々の防水性(IP55以上)
  10. 配線のしやすさ
  11. 機器にトラブルが発生した場合の影響度と復旧対応
    (トラブルが発生した場合の、診断機能やモジュールの交換のしやすさ)
津波避難タワー
津波避難タワー夜景

(2) 避難ビルの仕様

ここでは、該当の津波避難タワーや避難ビルがどのような状況で、どのような機能を期待されているのかを検討し、その期待に、答えるべき電気仕様を決定します。


  1. 災害時に避難民が、避難所を利用する期間はどの程度か
  2. 避難場所の各エリアの照度はどの程度にするか
  3. 何日間の無日照に耐えられればよいか
    (災害はいつ起こるかわからないので最悪の状況を基準とする。過去60年間の気象データーでは7日間無日照)
  4. 照明の点灯時間とタイミング(地震時のみの点灯か常時点灯かを検討)
  5. 近隣住民への光害への考慮(地震時のみの場合震度5以上での点灯設計)
  6. 照明の他にどのような機器に対し、どのくらいの電力を供給する必要があるか
    (災害無線等々、避難ビルの場合は、薬品用の冷蔵庫電源も必要になる場合もある)
  7. 使用するポールや電源BOX等々の耐風速(基本、風速60M対応)
  8. パネルの塩害対応(公的機関での認定となっていることが重要)
  9. 電源BOX、LED、パネル等々の防水性(IP55以上)
  10. 配線のしやすさ
  11. 機器にトラブルが発生した場合の影響度と復旧対応
    (トラブルが発生した場合の、診断機能やモジュールの交換のしやすさ)
避難ビル

既存ビルに設置された屋上避難設備(外観)

避難ビル

屋上に設置された太陽光パネル


5. 照明システムの2タイプ(集中型と分散型)について

分散型:

街路灯と同じ方式で基本構成は以下となります。LED(1.5~3W出力)x 1~2基 16灯以下のシステム向き

・基本構成

太陽光パネル1枚(60W~90W)+コントローラー+蓄電池+LED1~2台

・メリット

構成が簡単で、照明システムとしての機能を考えなければ、小規模エリアのとりあえずの照明には良い。
複数を配置した場合、LEDの配置を考えなくとも、故障時に壊れた部分だけが消え、その他のエリアに影響が少ない

・デメリット

コストパフォーマンスが低い
塩害対策パネルを採用できない(小型パネルの塩害対策製品は入手不可能)
雨天が続いた時に、十分な照度を担保できない
利用できる電力が少なく、十分な光源が確保できない。ACも携帯を1~2時間程度しか使えない
設計に自由度が少ない

接続・構成イメージ(分散型)

集中型:

街路灯と同様なシンプルな構成でありながら、使いながら蓄電できる高度な制御ができ、 十分な照明システムを構築できます。LED(1.5~3W出力)x16灯以上のシステム向き

・基本構成

太陽光パネル1枚(200~300W)+コントローラー+蓄電池+ LED8~10台

集中型配管工事

集中型は、比較的配管工事が安価にできる

・メリット

コストパフォーマンスが高い
塩害対策パネルを採用することができる
雨天が続いた時でも、発電を行うことができ、十分な照度を担保できる
利用できる電力が比較的多く、十分な光源を確保できる。ACも防災無線等を24時間利用することも可能
設計に自由度が多い

・デメリット

万が一壊れた時でも壊れた場合、集中的にあるエリアが暗くならないようにLEDを分散配置する必要がある

接続・構成イメージ(集中型)

6. 無日照対応

最悪の状況下での対応を考えるか、コストを考慮し現実的な状況下での無日照日数を設定するかを検討する

(1) 最悪の状況下での無日照数

日本の気象条件では、梅雨の時期と秋雨の時期が、日照条件はよくありません。
過去60年の気象データーを見る限り7日間の無日照が一つの目安となります。


(2) 現実的な状況下での無日照日数

一般的には、5日間の無日照対応としても、99%以上の確率でそれ以上の雨天は、観測されていません。


シュミレーショングラフ

*パネルサイズ 205W, 蓄電池 576WH, LED1.5W 6灯/12時間点灯

*雨が降ってもできるだけ効率的に充電します。
これにより7日間の雨天ににも対応できるシステムが構築できます。
1日晴天があれば、フル充電できます。


システムでの対応方法

雨天でも効率的に発電し、無駄なく電池に充電できるシステムを構築することで対費用効果の高いシステムとなります。
緊急時災害時システムでは、晴天時よりは、無日照時にどの程度効率的に発電し、蓄電池に充電できるかが重要となります。
そのいためには、太陽光パネルとコントローラー、蓄電池のサイズやシステム構築上の性能や柔軟度が選択のポイントとなります。
太陽光パネルの選定は、できるだけ大きな容量のものがよい(無日照時にも発電する)
コントローラーは、発電量が少ない場合でも、確実に蓄電できるような制御システムが付いているものを選択。その場合、自身の消費電力が大きくなるので注意(点灯LEDあたりの消費電力を確認すること)。単純なマイコン程度で制御されているコントローラーは、自己消費電力は、小さいが、充電効率が低いので要注意。

7. 推奨システム構成

コントローラ、蓄電池、太陽光パネル、LEDの単なる組み合わせではなく、 システムとして検証されているものを選択することをお勧めします。
長期に運用するシステムですから、導入部材を組み合わせて一定期間以上の 実証実験や運用実績があるシステムを選択することを推奨します。

多くのソーラー街路灯で設置後数年後につかなくなるケースが見られます。
単なる部材組み合わせによる長期実績のないシステムは危険です。
特にコントローラと蓄電池の組み合わせによる運用実績は重要です。
環境の悪いところに設置されます。温度条件試験(高温時の動作実験)などが きちんと行われたシステムを選択すべきです。 加えて、長期にわたり品質保証体制が確立できているベンダーを選ぶことを お勧めします。

太陽光パネルの選択ポイント

  1. 発電効率の高い製品
  2. 公的機関の塩害対策認定書のある製品

コントローラの選択ポイント

  1. 蓄電効率が高くできるだけ自己消費電力
    が低い製品
  2. 入出力の対応が柔軟な製品

システム選択ポイント

  1. 発電ロスを最小とするもの
  2. 充電効率が高いもの
  3. 雷サージ・過充電・過放電保護の入っているもの
  4. 自己消費電力の低いものでかつ充電効率の高いシステム
  5. 温度保護対応機能付き

選択ポイント

  1. 震度程度で反応する

照明器具の選択ポイント

  1. 省エネ
  2. グレア
  3. 場所に適したもの

制御盤BOXの選択ポイント

  1. IP55以上の防水
  2. 耐食性の高いもの

選択ポイント

  1. 塩害対策品であること
  2. 一日程度で、バッテリーを満充電できること
  3. 日照不良の時でも、発電が期待できるものがよい
  4. 大きな太陽光パネルを利用した集中型の場合、雨天時での発電も期待でき、複数のLEDを付けるとシステム内のロス電力が最小限になります
  5. パネルサイズを小さくした場合(90W程度以下)は、システムで使用するコントローラーの数が増加し、コストパフォーマンスおよびシステム効率は下がるが、不具合時を考えたLED配置をあまり考慮しなくてもよくなる。ただし、不具合が発生する確立は上がる。